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　以前から食品表示のことについてはこちらで書かせていただいてきましたが、８月末に受けた研修で、新たなことがわかり、一部表示内容を変更しております。ここ１年足らずで大きく変更となった食品表示について、順を追ってまとめてみたいと思います。

 

　まず大きなルールとして以前からあるのは「その商品に於いて、使用原材料の多い順に記載すること」というものがあります。それを踏まえた上で、れもん会社のオーソドックスなクッキー、「ぷちチョコ」を例にして…。

 

2015年当初

 

という比較的シンプルなものでした。これが新法施行に向けて大きく変化します。

2015年４月

 

　変更点は、卵から卵黄に変化した点。全卵から卵黄のみにレシピを変更したわけではなく、もともと卵黄のみだったのですが、卵白を完全除去出来るわけでもないので「卵」という表示になっていました。しかし、それでは表示として不十分と言うことで、卵黄となりました。さらに「／」を引いた後に食品添加物を分けて記載するようになりました。食品添加物の有無はこれでわかりやすくなりましたが、「何に」入っているのかはわからなくなり、なるべく添加物は使いたくないものの、チョコレートに漏れなく入ってしまっている添加物がこうやって曖昧な所在になってしまう表記方法で、つくり手としては何とも微妙な措置です。

　そしてもうひとつは「アレルギー表示」として、最後にこの商品にはこれだけのアレルゲンを含む材料を使用していますよ、と言うことをわかりやすく一括表示にしました。

 

2015年9月現在

 

 　まずは砂糖とう表示が曖昧なので、どんな砂糖を使っているのかを表示するようにと言うこと。実際には粉等を使っているので「粉糖」と表示すればいいのかと思えば、「粉糖」は何からつくられているのかという表示も必要だそうで、粉糖を細分化するとグラニュー糖とデキストリンからつくられているため、カッコ内にて表示することになっています。さすがにグラニュー糖とデキストリンの細分化は言われませんでしたが…。そして卵黄の横に（卵を含む）という、少し間抜けな表示をすることになりました。上記にもあった様に、卵白を完全除去出来ないため、卵黄を使っているのなら「卵」という表記は認められないが、卵白も少しは入っているので「卵を含む」という表記が必要ですよ。という話。

　そして納得しがたいのが、アレルゲンの一括表記は認められない、と言うこと。一括表記が認められるのはあまりにも原材料表記が多くなる弁当などのみで、この程度のものには不適用ということだそうです。すなわち、小麦粉やバターに関しては、小麦粉に小麦、バターに乳成分が使われているのは一目瞭然でしょ?いちいち重複して書く必要がない、と言うこと。「乳化剤」が大豆由来でつくられているのは見ただけでわからないため、「（一部に大豆を含む）」だけが残ったという感じです。

　一括表示ならそこを見ればどんなアレルゲンが使われているか、文字通り一括で知ることが出来るのに、それらは消費者の熟読に委ねられました。また、卵黄の横に（卵を含む）などという変な表記を一括なら書かずに済んだのですが、一括が認められないと言うことでこうなりました。

　最近多くなってきた「小麦○、卵○、乳○、そば－、かに－、えび－、落花生○」といような一覧表記、これらは食品表示とされる部分への併記は認められず、その枠外に表記するスペースがあるものに限られています（「食品表示欄」には別途正確に表示する必要あり）。箱入りの商品や、包装面積の広いものには適していますが、れもん会社のクッキーのような小さい袋では厳しいものです。わかり易いのでいいのですが…。

 

　今回は比較的シンプルながら、チョコレートを使用している「ぷちチョコ」をチョイスしましたが、中には（カッコ）だらけでわかりにくい表示も存在します。

　消費者にわかりやすくするための食品表示の法改正。本当に消費者のためになっているのでしょうか…私もいち消費者としてずっと疑問です。